廃棄物処理施設から2,000万円山分け、5人書類送検(6/23)
奈良県の再生資源処理施設「奈良総合リサイクルセンター」で、廃棄物の中から見つかった現金2,000万円を山分けして盗んだとして、パート従業員の男5人を窃盗容疑で書類送検したという。
容疑は作業中に、従業員の男が2,000万円を見つけ、そのうち1,000万円を抜き取った上で、現金の発見を職場のリーダー格の男に報告し、別の同僚3人とも話し合い、残りの1,000万円を計5人で200万円ずつ分け合ったという。
しかし、「1,000万円発見」を伝える新聞報道などを見て怖くなった第一発見者が、会社に盗んだ事実を話して発覚したという。
<記事>
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0623/mai_170623_7663906461.html

<解説>
このような記事は、たまに見かけますね。
さて、このような場合、その作業員の方はどうすべきだったのでしょうか?
またその前に、そもそも、この廃棄物処理業で取り扱う廃棄物の「所有権」はどこにあるのでしょう?
それは、いくら処理場に廃棄物が搬入されたとしても「処理」を行う前は、排出事業者にその所有権はあるものと考えられます。
なぜなら、廃棄物処理業者は、排出事業者から「処理」を請け負っているから。
排出事業者は、処理業者に「処理」を委託するわけですから。
(しいて言えば、その処理”後”のものは、やはり処理業者に所有権は移転されるでしょう。)
よって、今回の場合は、窃盗罪が成立するわけですかね。
ところが、その排出事業者が誰なのか”特定”されないようなこともよく起きています。
そのような場合は、数カ月の期限が到達した時点で、その処理業者の所有物となります。(それは民法でいうところの占有権的なところが作用するのでしょうか。)
そうすれば、その処理業者の”もの”にはなりますが、それでも従業員が勝手に持ち出すようなことがもしあった場合で、その会社が訴えるとすれば、それは窃盗罪となることでしょう。
よって、やはりどちらにしても「従業員は勝手に持ち出ししてはいけない」ということになりますね。。
坂本裕尚
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